VideoStudioPro X8では新たに「ビデオマスク」の機能が加わり、動画素材に対して任意に透過効果が付けれるようになりました。これはVideoStudioで実装を待望していた機能の一つで、同価格帯のAdobePremiereElementsと比較して、明らかに見劣りする点でした。ビデオマスクの実装により、次のような効果が得られるようになりました。
1、アルファチャンネル付きのmovやaviを使わずに、動画の透過が実現できる
2、透過movよりも美しいキリヌキで動画を合成できる
商業系の制作で、ある程度の見栄えを気にする動画作りでは、かなり嬉しい機能の実装です。検証中ですが今回のX8は良作の予感がします。
1、アルファチャンネル付きのmovやaviを使わずに、動画の透過が実現できる
これは、プロジェクトの軽量化に非常に役立ちます。例えば、当方の環境でアルファチャンネル(透過情報)付きの無圧縮aviを生成した場合、1秒間で355MBという恐ろしい数字になります。つまり、60秒で21.3GBということです。mp4等で動画マスクを作ることで、データサイズを1/100以下に圧縮できます。
2、透過movよりも美しいキリヌキで動画を合成できる
VideoStudioシリーズは、静止画・動画共に透過処理が苦手です(処理に濁りが入る)。これを美しく合成するにはマスクを掛ける必要がありますが、これまで動画マスクに対応していなかったため、アルファチャンネル(透過)付きの動画を合成する時には、一定の画質の劣化を受け入れるしかありませんでした。……とはいえ、元々の透過処理の汚さはあまり変わっていないので、合成に関する問題が全て解決されているわけではありませんが。
具体的な画質の劣化と、動画マスクによる改善は次の通り。
元々の効果
CorelMotionStudio3Dで作成したキラキラのパーティクル。背景の黒色は透過色です。
透過aviを動画に合成
合成後のスクリーンショット。光の輪が消えています。光の周囲に灰色の濁りもあります。これはこれで、オブジェクトが目立つ効果もあるのですが、光を表現したい時は結構しんどいです。
動画マスクで合成
動画マスクで合成した結果です。光の輪まで描写され、灰色の濁りが消えてより光らしくなりました。
ビデオマスクって何?
透過設定を白黒動画で表現したものです。動画の白い箇所は不透明、黒い箇所は透明になります。
マスクについての解説はこちらの記事をご覧ください。
VIDEOSTUDIOのマスクの使い方