この記事では、VideoStuidoX8でビデオマスクを使って、アルファチャンネル付きのパーティクル系素材を美しく合成する方法を解説します。
VideoStudioシリーズには、「アルファチャンネルの合成が汚い」という、一向に改善されない欠点があります。しかし2015年、X8になってやっと、アルファチャンネル合成時の汚れを回避する手段が登場しました。ビデオマスクです。
■VideoStudioのアルファチャンネル合成の、何が酷いか
透過動画の合成に関しては、VideoStudioより安価なPremiereElementsにも及ばないのが実情です。なにしろ、VideoStduioの合成は光の効果のくせに「黒ずんだ影」ができるのです。
弊社の動画制作は殆どVideoStudioで賄っていますが、このような合成は、流石に他のソフトを使わざるを得ませんでした…。
■VideoStudioX8から追加されたビデオマスク合成でどう変わるか
透過movにビデオマスクを適用すると、黒ずみの無い光の表現が可能になりました。但し、見ての通り色味は薄くなります。
ビデオマスクで合成したクリップの彩度を引き上げました。本来、彩度を極端に上げると対象の動画は画質が劣化しますが、ビデオマスクによる透過効果が上手く働いて、画質を維持したまま色味が濃くなります。
画質を突き詰めると、元々アルファチャンネルとの相性が良いPremiereElementsに及びませんが、動画マスクの登場により、このようにVideoStuidoでも実用に耐える透過合成が可能になりました。
■素材のビデオマスクを作る
黒の背景に透過mov(avi)を配置します。
クリップを選択して 編集→色補正 彩度を-100に設定します。
白黒になったクリップをAVC/H.264形式で出力します。
元の素材と同じフレーム数(30fpsもしくは60fps)で出力する必要があります。
この作例では、AVC(1920×1080,30p,20Kbps)の設定で出力します。
マスク動画ができました。これを元の透過mov(avi)に適用します。
■ビデオマスクを適用する
透過mov(avi)をトラックに配置します。
効果が分かりやすいように背景を入れています。
(背景画はウチの取扱商品です。よしなに)
クリップ選択→オプション→属性→マスク&クロマキー→オーバーレイオプションを適用→ビデオマスク
の順に選択します。ビデオマスクのサムネイル一覧の右下にある「+」を押して、先ほど作ったマスク動画を適用します。
透過が適用されて、黒ずみが消えました。
クリップ選択→オプション→編集→色補正
に入って、彩度を好みのレベルに調節します
より色味のしっかりした合成になりました。彩度以外のパラメーターも調整できますので、好みの効果になるように色々試してみましょう。
VideoStudioシリーズにおいては、長く使い物にならなかったアルファチャンネル素材(透過avi、透過mov)ですが、X8からやっと実用性が出てきました(あくまでプロレベルでの話ですが)。いいかげんにネイティブ対応しろと言いたいところですが、当分はマスクを使いながら今後の実装を待ちたいと思います。