全画面化した地色のレイヤーを手前に配置して、ビデオマスクにより透過することで躍動感のあるテロップ動画を作る……と書いても何がなんだか分からないと思います。なので、ひとまず下記動画の冒頭をご覧ください。
はい、このような効果を作る方法です。今回の作例では英文のテロップを左右に流していますが、マスク動画さえ作ればどんな格好でも同じような表現ができますので、日本語を使った演出も面白と思います。興味のある方は挑戦してみてください。
まずはビデオマスクを作ります。ビデオマスクは白黒の映像です。ビデオトラック(一番上のトラック)には白色のカラークリップを配置しておきます。
文章(テロップ)にはアニメーションの「フライ」を使用します。
フライの設定です。イン・アウトを同じ方向に設定して、開始・終了単位をテキスト、一時停止は無しにします。
今回の演出では、文字の部分(黒い部分)が透過しますので、なるべく太いゴシック系で、文字間隔が狭い書体を選ぶと良いでしょう。
当記事では「1920×1080,30p」のMP4(H.264)動画で出力します。
おっと……ついでに大きな書体の作り方を解説しておきます。
標準のプロジェクトでは、フォントサイズは「200」が上限となります。これでは画面を3分割するサイズにできないので不便です。一時的に書体を拡大できる裏技を使います。
設定→プロジェクトのプロパティを選択
「オンライン」「MPEG-4(720×480,30p,2.5Mbps)」を選択してOK。
これで、フォントサイズをさらに拡大できるようになります。フォントサイズを調整して配置します。
フォントの配置が終わったら、設定→プロジェクトのプロパティから、「1920×1080,30p,8Mbps」に戻します。
一時的にフォントサイズが200以上になっているはずです。この方法では最大値451まで拡大できます。上限以上に拡大したフォントは、再びリサイズすると200以上のサイズには戻せません。その場合上記の手順を繰り返します。
タイミングを調整しつつ、テロップを配置していきます。レイヤーを重ねて調整した幅を定規代わりにしたカラークリップで再現すると、同じタイミングで配置できます。
脱線しましたが話を戻します。
まずは1920×1080ピクセルの白もしくは黒い画像を用意します。これらの画像にビデオマスクを適用する格好です。画像をトラックに配置します。
配置した画像を選択して オプション→マスク&クロマキー→
さらに オーバーレイオプション→ビデオマスク から
サムネイル一覧の右下にある「+」ボタンをクリック
先程制作したビデオマスクを選択します。
これで、手前に配置した地色(白or黒)の文字部分が透明になりました。
背景に画像や動画を設置すると分かりやすいです。
地色が強いと感じたら、手前のレイヤーを選択して、高度なモーション→モーション生成 から、最初と最後のキーフレームをそれぞれ選択して、不透明度を調整します。今回の作例では「90」にしています。
完成しました。ビデオマスクの長さは後から調整できないので、どの程度の長さで使うか分からない場合は、長めに作っておくと便利です。
こちらは 地色:白 不透明度:90 の例です。
こちらは 地色:黒 不透明度:90 の例です。ビデオマスクを適用するクリップは動画も可能ですが、チラツキが出るようです。チラツキも含めて演出と割り切れる場合は試してみてください。