VideoStudioで糸で編むようなアニメを作る


糸や紐がオブジェクトを編み出すような効果のアニメです。実際はオブジェクトの出現に合わせて線を追尾させていますが、動くとミシンで編み出しているように錯覚します。ビデオマスクの扱いが前提となりますので、経験の無い方は先に次の記事からご覧ください。今回はVideoSutdio2018を使って紹介していますが、古いバージョン(X8以降)のVideoStudioでも制作できます。
→VIDEOSTUDIOで地図上の動線(矢印)が伸びる効果を作る
→VIDEOSTUDIOで植物が伸びるアニメを作る


<追記>
今回の記事は「VideoStudio Ultimate 2018」で制作しています。2018は機能が拡充され光る点もありますが、2018年6月現在モーション生成後の設定表示が不安定であったり、オブジェクト選択後に特定の機能にアクセスしにくい等、率直なところ商業用途で使えない出来ですね。今回は2018を使いましたが、パッチでバグが潰れるまでX10を使うことになりそうです。やれやれ。


作例1。4本の線で機械で編みだすような効果。

作例2。手書きの線をアニメ化して毛糸&編み物のような効果。

作例3。2枚の画像から作るシンプルな効果。今回の教材です。


使用する画像1。1920x1080ピクセルの透過PNGで中央にりんごを配置しています。
→画像ダウンロード(りんごと赤線)

使用する画像2。1920x1080の透過PNGで、中央に赤い線を引いています。

制作の前提として、ペインティングクリエーターを使ったビデオマスクの制作が必要です。これについては別の記事で解説していますので、経験の無い方は先に記事をご覧ください。
→VIDEOSTUDIOで地図上の動線(矢印)が伸びる効果を作る
→VIDEOSTUDIOで植物が伸びるアニメを作る

ペインティングクリエーターを使ってビデオマスクを作成。

新規プロジェクトを開いてトラックにりんごの画像を配置&サイズ調整。作成したビデオマスクを適用します。

りんごを配置したら、下のトラックに赤線の画像を配置します。これも元のサイズに調整します。

完成した版組です。トラックの赤い枠で囲っているのが赤線の画像です。既にモーションを設定済みです。


赤線のモーション設定です。


拡大しました。オブジェクトの出現に合わせて、赤線の端を細かく移動するのが基本です。キーフレームが多くて煩雑に見えますが、実際は3~4秒程度のアニメなので、そこまで厳しくないと思います。

赤線の配置を指定する前に、最初と最後のキーフレームに合わせて、回転(Z値)を適当に変更しておきます。
<例>最初のキーフレーム:Z=+20 最後のキーフレーム:Z=-20

Z値が変動すると、効果と共に赤線の角度が変化(回転)します。これが赤線の動き(うねうね感)を強調します。

もう一度赤線のモーション設定を見てみます。

時間と共に現れるりんごの「先端付近」に赤線の先を配置していきます。りんごから離れて赤線が浮いてしまうと不自然になるので、常にりんごの画像と赤線がくっついた状態を維持します。

上記のルールで、赤線の軌道がなるべくジグザグになるように配置します。赤線が細かく動くほど、それらしさが出ます。

1本目の赤線を設定したら、2本目も同じように調整します。キーフレームを1本目と合わせる必要はありません。細かく動いて1本めの線と交差するほど、それらしさがでます。

実際はオブジェクトの出現に赤い線を追尾させているのですが、動画で見ると赤い線がオブジェクトの生成を導いているように見えます。

こだわると工数が増える効果なので、まずは簡単なオブジェクトから練習するのをおすすめします。

作例の赤線は透過PNG画像でしたが、画像を動画に置き換えることもできます。サンプルとしてビデオマスクをDLできます。
→毛糸のビデオマスク ダウンロード


単色の1920×1080画像に毛糸のビデオマスクを適用した例です。制作に慣れたらチャレンジしてみてください。