汚れやかすれの効果を「グランジ(Grunge)」と言います。本来ロック音楽の用語ですが、デザイン業界でも使われています。グランジのテクスチャを白黒の二価画像に変換後、マスク画像として対象の画像(テロップ)に適用すると、かすれ効果が表現できます。
■前提として
VideoStudioのテキストにはマスクが適用できないため、今回は画像として制作したテロップにマスクを掛けます。これは、PhotoShop等の画像ソフトでテロップ画像を加工するのと同じことですので、個別でグランジ効果の画像が作成できるのであればそれで問題ありません。今回紹介する方法は、グランジ効果をマスク画像として保存するため、同様の効果を様々な画像に適用しやすいのが特徴です。一つの作品で繰り返しグランジを使ったテロップを出す場合は、この方法が効率的と思います。
■制作の手順
(1)グランジ効果のテクスチャを用意する
次のサイトで「Grunge」と検索します。
これらの素材サイトは商業利用フリーで、クレジット表記も必要ありません。
pixabay http://pixabay.com/
morgueFile http://www.morguefile.com/
グランジテクスチャの例
(2)テクスチャを白黒画像に変換する
テクスチャを白黒画像に変換した後、グレースケール(8bit)かRGB(24bit)で保存します。2価画像のままだとマスクを適用した時に不具合が出る場合があります。今回はテクスチャを1920×1080ピクセルで保存します。
マスクの黒い部分が、適用画像を透明にします。可読性が落ちると困りますから、基本的に白が殆どを占めて、黒い汚れはアクセントになるように調整しましょう。
(3)テロップ画像を作る
1920×1080の透明なキャンパスにテロップ画像を作ります。書体はなるべく太い方が良いです。よりエッジの美しいテロップを作りたい場合はマスクで透明度を作りますが、グランジ効果もマスクを使うので、処理がやや面倒です。今回は後々にマスク画像を再利用したいので、マスク画像・テロップ画像共に1920×1080サイズに合わせて制作します。
(4)テロップにマスク(グランジ効果)を適用
タイムラインに割り付けたテロップ画像にグランジのマスクを掛ければ完了です。この効果は静止画よりも、奥行きのある動画を背景にする方が見栄えします。また、グランジ用のマスク画像を数パターン用意しておけば、雰囲気に合わせてかすれ具合を選べるようになります。