VideoStudio「Pro」で、地図や迷路の道順に沿ってオブジェクトにモーションを付ける方法を紹介します。マウス軌跡のモーション化は本来VideoStudio Ultimateにある機能ですが、VideoStudioの画面キャプチャとモーショントラッキングを組み合わせることで、VideoStudio Pro でも表現できます。
地図や迷路のほか、UFOのような不定形な軌道のアニメーションにも使えます。
■準備
マウスの軌道をトラッキングするには、マウスカーソルをトラッキングしやすいものに変更する必要があります。通常の矢印カーソルでは、途中でトラッキングが外れてしまうからです(VideoStudioのモーショントラッキングは画像の階調を判定して追跡している様子です)。
このマウスカーソルは、トラッキングしやすいように当方が制作したオリジナル素材です。フリー素材として配布しますので、事前にダウンロードしてシステムの C:>windows>Cursors にコピーしておきます。
■手順
モーションの基準となる下地の画像を準備します。今回は地図画像を用意しました。
システムの スタートボタンから→コントロールパネル→マウス の順に進みます。
ポインター のタブを開いて、通常の選択をハイライトして 参照をクリックします。
前準備でインストールしておいたトラッキング専用のマウスカーソルを選択してOKを押します。
マウスドラッグの軌道を録画します。記録/取り込みオプション→画面の録画
写真に出ていませんが、画面録画のオプションで録画範囲を指定できます。マウスドラッグでプレビュー画面の領域を選択します。
録画を開始します。プレビュー画面の箇所が録画中ですから、マウスを地図の道筋に沿ってゆっくり動かします。
録画が終わったら、動画データをビデオトラック(最上段のトラック)に配置します。
配置したクリップを選択した状態で、モーショントラッキングを起動します。
トラッキング位置を決める赤い十字マーカーを、動画中のマウスカーソルの赤い点に合わせます。
中央のトラッキングボタンを押してトラッキングをスタートします。
上手くいけば一発で軌道に沿ってモーションが作られます。途中でトラッキングがマウスカーソルが外れる場合がありますので、その時はタイムラインをトラッキングが正常だった位置まで戻して、再び赤い十字マーカーをマウスカーソルに合わせてトラッキングを再開します。
OKを押してトラッキングを終了すると、ビデオトラックの直下トラック1に「1」という画像が生成されます。この画像は動画や他の画像に差し替えできます。
プレビュー再生で確認します。初期値では、トラッキングのポイントよりも若干上に画像が配置されています。この位置は自由に調整できます。
「1」の画像を右クリック→モーションの調整
オフセットの値を X:0 Y:0 に設定すると、トラッキングポイントの中心に画像が配置されます。タイムラインにキーフレームを設定して、画像のサイズや位置を変更できます。
トラック1にある「1」の画像を一段下のトラック2に移動します。
トラック1に背景用の画像や動画を配置して全画面表示します。これで、トラッキング用に録画した動画が隠れます。
プレビュー再生で確認します。トラッキングで取得した軌道そのものは修正できませんので、動きや配置がおかしい場合は「モーションの調整」から修正します。
「1」の画像は他の画像や動画に差し替えできます。冒頭のデモ動画では歩く子供の動画に差し替えています。
作業が終わったらマウスポインタを戻しましょう。スタート→コントロールパネル→マウス→ポインター から、適当なデザインセットを選択すればマウスカーソルがリセットされます。