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VideoStduioで形や大きさの変わるボカシ効果を作る

墓所や路地など、狭小の撮影では個人情報等の隠すべき情報が奥から手前に動くため、適したボカシの形や強度が時間と共に変わります。
VideoStudioには指定したポイントを自動追尾してモザイク等を付けるモーショントラッキング機能がありますが、動きの早い動画では自動処理が上手くいかない場合があります。
当記事では手動でボカシを入れる方法を解説します。



効果の理屈は、ボカシを掛けた動画の上に穴を開けた動画を重ねて、結果隠すべき場所がボカシになっている…というものです。画像の右上側は墓碑銘の箇所に穴が空いていて、背景色になっていますね。


動画に穴を開ける(透過する、マスクする)には、白黒で表現された「ビデオマスク」という動画を制作して、これを透過処理したい動画に適用します。ビデオマスクで黒色に表現されている箇所が、適用後の動画で透明になります。


作業の前に、マスク用の画像(透過PNG)を用意しておくと便利です。当記事の作例では左側の四角形を使っていますが、端をボカシた画像を使うと、ボカシの境界が馴染んでより自然な処理になります。
マスクすべき形状が絞られている場合は、その形状合わせた黒ベタ画像でも良いでしょう(人型など)。


画像の準備が面倒な場合は メディア>背景>べた色 から黒色のベタでも代用できます。


工程の解説です。このサンプルではプレビュー画面左側の自転車を牽いて歩く男性にボカシを掛けます。時間と共に奥から手前に移動するので、マスクすべき形状は大きく変わります。また、近くに寄ると弱いボカシでは顔の識別ができてしまいます。


作業範囲を分かりやすくするため、マスクを掛ける尺にあわせてビデオを分割します。ターゲットが画面に出る直前 から ターゲットが画面から消えるまで が範囲です。


マスク用の黒い画像(作例では正方形)を配置します。

黒画像をビデオの分割した尺に合わせて、右クリックからモーションを生成します。


画像4辺の「黄色」のハンドルでサイズを適当に調整します。タイムラインは全体の中央付近でよいでしょう。


画像の4隅の「緑色」のポイントで、各キーフレームを設定しつつ、四角形を歪めて形を調整します。たまにポイントが動かなくなる場合がありますが、動かない場合は黄色ハンドルでサイズを変えてみましょう。なお、歪みは画像の右下が基点になっている様子です。

キーフレーム上の設定はコピー&ペーストで複写できます。Ctrl+C Ctrl+V も効きますので、上手く使いながらタイムライン上の被写体が常にベタで隠れる様に調整します。

黒ベタ配置が終わったら、モーション生成から抜けて、白の背景を配置します。

Videostudioに標準で用意されている白色(245,245,245)は、完全な白色ではありません。


配置後、カラーピッカーを開いてRGB(255,255,255)に変更、完全な白色にします。

分割した動画クリップの尺に白ベタを合わせます。


プレビュー画面上で、白ベタの四辺のハンドルを外側に引っ張って、完全に画面を覆うよう注意しましょう。デフォルトの配置では、4辺の端が僅かに覆いきれておらず、出力結果が不十分になる場合があります。


白色背景に黒色ベタのアニメーションが乗ればOKです。


ビデオマスクの出力範囲を設定します。インジケーターを分割した動画の端に合わせて、プレビューウインドウ下の [  ] ボタンを押下します。


トリムマーカーの範囲=動画の出力範囲です。ターゲットの動画クリップと完全に同じ尺である必要があります。


ビデオマスクを出力します。動画クリップと同じ解像度に設定して、「プレビュー範囲のみを作成」にチェックして出力します。


ターゲットのビデオクリップを複製して2段に重ねます。


奥側(オーバーレイ上では上側)のクリップに FX >フォーカス>スムージング を適用します。

フィルターのカスタマイズからセルサイズ(ぼかしの強さ)を設定します。弱すぎると文字等が読めてしまいますが、強すぎると塗りつぶしに近くなり、見栄えが悪くなります。作例では25に設定しました。

次に手前、オーバーレイ上では下側のクリップに穴を開けます(穴を開ける=透過する=マスクする)。

クリップを選択>ブレンドする>艶消しモード:ビデオマスク でウインドウを開いて、「+」ボタンから先程出力したビデオマスクを選択します。


ターゲットにボカシが適用されれば成功です。

ターゲットが奥から手前に動く場合、徐々に文字や顔の表示が大きくなり、同じ強度のボカシでは隠しきれない場合があります。


効果>フィルター>スムージング>フィルターをカスタマイズ からぼかしの強度を変更します。作例では最初のキーフレームは25、最後のキーフレームは50に設定しました。

奥側(上段)のクリップ はボカシのほか、モザイクやベタ、スケッチ風や色調整等、様々な効果が適用できます。応用の利くテクニックですので色々試してみましょう。