テロップの色を変化させるだけなら、トランジションの「サイド」で表現できますが、カラオケは楽曲の進行に合わせてテロップの色が変わるので、減速・加速・一時停止を表現する必要がある……これが厄介です。
当記事では、アニメーション調整済みのビデオマスクを作成して、2重に重ねたテロップの手前側を消す方法を紹介します。面倒な方法ですが、細かく制御できます。
こちらは応用で歌詞を2行にしたバージョンです。今回解説していませんが、こちらの方がよりカラオケらしいですね。
楽曲に合わせてアニメーション制御するのが厄介
今回の映像の仕組み。色違いのテロップを2重に重ねて、手前を楽曲に合わせて消して(隠して)いけば、白文字から赤文字への変化が表現できます。
歌詞を白文字・黒フチでトラックに割り付けます。工数多いため基本的な作業の解説は省略します。
プレビュー画面の下にある♪ボタンを押して、音源の波形を表示します。
注意点として、貼り付けた歌詞のテロップはタイトルトラックではなくオーバーレイトラックに移動しておきます。波形を表示するとタイトルトラックが隠れるため、編集作業が難しくなります。
その後、楽曲に合わせて歌詞が表示されるよう、テロップの尺を調整します。ここでの調整は後の工程に不可逆的に影響するので、本番用としてきっちりやっておきます。
歌詞の割付が終わったら、テロップをコピーして3列にします。当記事では下から1段目、2段目、3段目と呼んでいます。
1段目の表示をトラック非表示にして隠して、2段目がプレビューで見えるようにします。
2段目のテロップ全てを「赤文字・白フチ」に変更します。属性コピーで一気にできそうなものですが、微妙に配置がズレる恐れがあるので、作例では1テロップずつ手作業で変更しています。
2段目は「色が変わった後の歌詞」になります。
同じ要領で、3段目のテロップ全てを「白文字・白フチ」に変更します。
3段目はビデオマスクとして出力するためです。ビデオマスクは1段目のテロップを楽曲の進行に合わせて隠す役割です。
3段目のテロップを露出した状態で、黒のカラークリップを配置します。カラークリップのモーション生成から、楽曲の進行に合わせて歌詞を隠すように動きを設定します。
テロップを隠すカラークリップの動きは、動く→止まるの繰り返しです。設定は貼り付ける歌詞と楽曲により異なります。この辺は記事掲載の動画で確認頂いた方が感覚が掴めると思います。
直前のテロップをコピーして、キーフレームをコピー&ペースト後、アニメを調整するのが基本パターンです。
最初の節、歌詞で言えば「桃太郎さん 桃太郎さん」の箇所ができました。
最初の節は4つのテロップに分けています。カラオケなので歌詞の色が変わった後で適度に停止が入ります。上図でウエイトと表現している箇所は、カラークリップの動きが止まっています。
同じ要領で全てのテロップにカラークリップのアニメを追加します。
背景を非表示にして(真っ黒にして)、ビデオマスクの体裁が整いました。黒の画面に、白文字白フチでやや膨れた文字がアニメーションで消えていく格好です。
トラックはこのような体裁。白黒の動画として出力します。
ビデオマスクとして1920×1080で動画出力します。
続いて、ビデオマスクを「適用する」して、アニメーションで隠す動画を出力します。
最初に作った白文字・黒フチの1段目のテロップを表示します。
「白文字・黒フチ」の動画を1920×1080で出力します。背景はあってもなくても構いませんが(ビデオマスクを適用してどうせ隠れるので)ビデオマスクとの混同を防ぐため、作例では背景を表示しています。
主力した1段目テロップ動画を全画面表示(元のサイズで表示)して、2段目テロップの下のトラックに(トラックを追加して)挿入します。
配置した動画を選択して、[オプション→マスク&クロマキー→オーバーレイオプションを適用→タイプ:ビデオマスク→+ボタン]から、ビデオマスクを適用します。
割り付けた動画は音声が重複するので選択→右クリックからミュートしておきます。
画像のような体裁になったら、アニメーションで手前のテロップが消え、背後の赤文字テロップへの切り替わりになっているはずです。↓の構造ですね。
後は適当なサイズで動画出力すれば完成です。
テロップ遷移のタイミングを変更する場合は、カラークリップのアニメーションを再設定→ビデオマスク出力→ビデオマスクの再適用 の手順になります。