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出力済みの動画にモーションブラーを掛ける方法


モーションタイポグラフィ動画にブラー効果を後付けで加えた例

2015年現在、windows環境において、出力済みの30fps動画にモーションブラーを掛ける方法を紹介します。なお、本稿は60fps化(フレーム補間)ではなく、あくまで30fps動画の30fpsモーションブラー化が目的です。

画像をクリックで効果の有無を確認。右側がブラー処理を適用した画面です。
ブラー処理比較
動画はこちらhttps://youtu.be/D6XLJmqQRU8


■前説

※この項は読み飛ばしてもOKです。

本稿ではAviUtlという動画編集ソフトと、Avisysthという動画の中間処理専用のソフトを使って、既存の動画にモーションブラーを加えます。「AviUtl使っている時点でVideoStuidio意味ないだろ!」と言われてしまいそうですが、仰るとおり、お手上げです。どうやらaviファイルの仮想化によりVideoStudioで無理やり処理する方法もありそうですが……それくらいなら素直にAviUtlから出力した方が工数が節約できますからね…。

一度出力した動画にモーションブラーを掛けるプラグインに「ReelSmart Motion Blur」シリーズがありますが、これに対応するWindowsアプリケーションはAdobeのPremiereProもしくはAfterEffectsです。つまり、月額コストの掛かるクラウドサービスに加入する必要がありますので、今回は選外ですね。

尚、VideoStuidoには「移動ぼかし」というブラー系フィルタがあり、これを駆使すれば、手間はかかるものの動きのヌルヌルした30fps動画は制作可能です→関連記事。が、本当に面倒なので、まとめてレンダリング処理したいわけですよ。

今回の処理により、VideoStudioやAdobePremiereElementsで出力したAVI動画を「後付け」でモーションブラー化できるようになります。画面の動きが大きい動画では特に効果を感じると思います。

今回紹介する手法では、処理の過程で2点の無圧縮aviファイル(処理前・処理後)が面倒な点です。無圧縮aviはフルHD解像度の場合、1分あたり約10GBのデータサイズであり、ストレージを圧迫します。

今回の処理の中核となる「Avisynth(オーヴィーシンス)」は、動画処理のための中間ソフトです。フィルター系の処理に優れたソフトですが、単体で動画出力する機能が無いため、他の動画編集ソフトと連携して初めて実用できます。今回はAviUtlというフリーの動画編集ソフトと連携します。


①準備

(1-1)ブラー化したい動画をavi形式で書き出す

予めモーションブラー化したい動画を無圧縮のaviファイルで書き出します。Windows系のほぼ全ての動画編集ソフトでaviファイルの書き出しはサポートされています。aviを無圧縮で出力する場合、1分あたり約10GBのデータサイズになりますので、ストレージには十分な空き容量を確保しておきましょう。
videostudioでaviファイルを出力するには、新規プロパティを作成します

フレームレート:30 フレームタイプ:フレームベース フレームサイズ:1920x1080

圧縮:なしに設定
AVIタブの圧縮を「なし」に変更すると、aviの出力サイズを任意に設定できるようになります。WEB用等で元々小サイズの映像をブラー化する場合は、この時点でサイズを縮小したaviを出力すると、後のレンダリング時間が節約できます。


②ファイルをダウンロードする

まずは、次の4つのファイルをダウンロードします。ダウンロードしたファイルはフォルダにまとめて保存しておくと良いでしょう(今後の入手が不確実なため)。

(2-1)Avisynth(オーヴィーシンス)

http://sourceforge.net/projects/avisynth2/files/
今回のブラー処理を行うソフトです。単体では動作しないので、他の動画編集ソフトと連携して使います。
2015年12月現在では「AviSynth_260.exe」がダウンロードできます。
Avisysthはここからダウンロード

(2-2)MVtools2(エムブイツールズツー)

http://avisynth.nl/index.php/MVTools
Avisysthでブラー処理を実行するためのプラグインです。
上記URLから「mvtools-2.6.0.5.zip」をダウンロードします。
KVToolsのダウンロード場所

(2-3)AviUtl(エーブイアイユーティル)

http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
Avisysthと連携する動画編集ソフトです。Avisysthは他の動画編集ソフトとも連携できますが、今回はこのソフトを使います。
2015年12月現在、上記URLから「aviutl100.zip」がダウンロードできます。
AviUtlのダウンロード画面

(2-4)モーションブラー用のavsスクリプト

blur01.zip
AviUtlに読み込ませて処理を実行するためのファイルです。
解凍後、メモ帳で開いてaviファイルのパスを書き換える必要があります。
avsスクリプトの変更箇所


③インストール作業

(3-1)Avisysthをインストールする

ダウンロードしたAviSynth_260.exeを起動してシステムにインストールします。
最初の選択で言語を「Japanese」に選択した後は、全て「次へ」でOKです。

言語をjapaneseにしてOKを押す

同意するをクリック

標準設定のまま次へをクリック

インストール先はデフォルトでよいでしょう

インストール中

完了を押下

(3-2)MVTools2をインストールする

ダウンロードしたmvtools-2.6.0.5.zipを解凍して、mvtools2.dllをAvisynthがインストールされているフォルダのpluginsフォルダ内に設置します。
<初期設定でのAvisysthインストール先>
32bitWindowsの場合 …… C:/Program Files/Avisynth/plugins
64bitWindowsの場合 …… C:/Program Files (x86)/AviSynth/plugins
mvtools2.dllをAvisysthインストールフォルダ内のpluginsにコピーする

(3-3)AviUtlをインストールする

aviutl100.zipを解凍します。このソフトはインストール作業不要なので、解凍後aviutl.exeをダブルクリックすればソフトが起動します。
AviUtlは様々なプラグインで機能を拡張できる編集ソフトですが、今回はモーションブラーが目的なので、プラグイン等の導入はせず、最小限の設定で済ませます。
画像は解凍直後のAviUtlフォルダですaviutl.exeをダブルクリックで起動します

起動後、ファイル→環境設定→システムの設定に移動します

最大画像サイズは1280x720に設定されていますので、これを1920x1080に変更します。その他の値は初期値のままでOKです

④出力

(4-1)avsスクリプトを書き換える

blur01.zipを解凍して、blur01.avsをメモ帳等のテキストエディタで開きます。出力済みのaviファイルのパスを調べて、上から4行目のaviファイルのパスを書き換えます。
予め出力していたaviファイルのパスを調べます。右クリック→プロパティ
予め出力していたaviファイルのパスを調べます。ファイルを右クリック→プロパティ

セキュリティタブのオブジェクト名にあるパスをコピー
セキュリティタブにあるオブジェクト名にある、パスをコピーします。

コピーしたパスをメモ帳で開いたavsスクリプトに上書きします
メモ帳で開いたavsスクリプトにパスを上書きします。

(4-2)avsスクリプトをAviUtlに読み込ませる

パスを変更したavsスクリプトをAviUtlに読み込ませます。パスの記述に間違いがなければ処理済みの動画が表示されます。
無圧縮のaviファイルを読み込ませる場合、非常に処理が重たいためこの時点では正常に再生できません。適当に再生インジケーターを動かして、動きのある場面でブラー効果が適用されているか確認します。
avsスクリプトをaviutlで開く

正常に処理できていれば、動きのある場面にボカシが掛かっている
ここまでの手順に間違いがなければ、ブラー処理した編集画面になります。

パスが間違えている場合のエラー
このような画面が出た場合はパスが間違っていないか再確認しましょう。

(4-3)ブラー処理aviファイルをレンダリング

avsファイルを読み込ませたAviUtlから加工後のaviファイルを出力します。レンダリング時間はPCの性能と動画の解像度・長さにより変わります。その後VideoStudio等の動画編集ソフトに読み込ませて、MP4等任意の形式に変換します。
aviutlでレンダリング開始

aviファイル出力後
加工後のaviファイルは中間素材として他の動画編集ソフトで扱えます。無圧縮aviファイルは1分あたり10GBとデータサイズが大きいため、MP4やAVCに変換すると良いでしょう。画面にテロップ等の静止画像が存在する場合は、ブラー処理に巻き込まれることもありますので、別レイヤーに分けて後で合成する方法もあります。


以上、システムの構築までは面倒ですが、一度構築すれば名称を決めてデスクトップに書きだしたaviファイルをドラッグするだけで、ブラー処理が掛けれるようになります。
この手法では加工前・加工後と無圧縮のaviファイルを2つ生成するため、システムの空き容量は十分に確保しておきましょう。